リモート通訳(遠隔通訳)時の交代方法は?
今回はリモート通訳(遠隔通訳)の交代についての所見です。
といっても厳密にはZoomを使った遠隔同時通訳でのパートナー通訳者との交代についてです。この1−2ヶ月でZoomを使った遠隔同時通訳の案件が急増している感覚があります。(私の場合InterprefyやKUDOは認定したばかりでご依頼をいただくのはこれからというのも大きいですが。)
これまで多くの通訳者がZoomでの遠隔同時通訳では交代がしにくいと言うのを見聞きしてきたのですが、私はむしろZoomの案件での交代の方が楽だと感じています。
元々は4月に初めてZoom遠隔同時通訳案件を請けた時にパートナーの方から教わった方法ですが、今ではすっかりその方法に慣れて非常に快適にスムーズに交代できています。
まず状況説明としては、Zoomには同時通訳機能があり、ホストが通訳者をアサインできます。アサインが完了した通訳者の声を聞きたい場合は、参加者が通訳機能から自分が通訳を聞きたい言語を選びます。通訳者は自分が訳として出す言語(英日であれば日本語)のチャンネルを選び訳出します。
遠隔の場合通訳者2名(もしくは3名)が別々の場所からZoomに入ることも多く、そうすると顔が見えずお互いの声が聞こえません。以前であればブース内で声を聞いて、目配せをすることでできていた交代が非常にしにくくなるのです。そこでこれから説明する方法を使っています。
まずはパートナーの方とLine(または同様のプラットフォーム)でつながり、2台目のデバイス(iPadやスマホが多い)でビデオ通話をします。お互いの顔が見えるようにそのデバイスを配置し、アクティブの通訳者(訳出中の通訳者)は交代時間が来たら、きり良く文を完結できたところで、その2台目のデバイスのカメラ部分を塞ぎます。
パッシブ(これから通訳を始める)通訳者は交代が近づいてきたらZoomのマイクをアンミュートにし2台目のデバイスを見つめます(チラ見じゃなくて見つめてください!)。パートナーがカメラを塞いだのが見えたらすぐに通訳を開始します。(コツとしては1分ぐらい前にアンミュートしておくこと。そうすると交代の瞬間は通訳を開始してタイマーを回し始めればOKです。)
アクティブの通訳者は相手に渡し終わったらすぐにZoomのマイクをミュートします。これで一連の流れは完結です。もちろんそれぞれがタイマーをきちんと回します。(オンライン共有タイマーでも良いです。)あと、余裕があればパートナーのマイクがきちんとオンになっているかZoomの画面で確認します。
先日初めて同じモントレー国際大学院(現ミドルベリー国際大学院)卒のWさんと組ませてもらって、その時もこの方法で交代したのですが、「Zoom遠隔同時通訳でこんなに安心感を持って交代できたのは初めて〜」との感想をもらいました。
というわけでこれからもこの交代方法をどんどん広めていきたいです!(そしてこうなってくると「交代がしにくいZoom遠隔同時通訳」と言われていたのに、むしろ一番交代が楽に思えるのですよね〜。複数の通訳者のマイクが同時にオンにできるので、交代の瞬間にアンミュートする心配をしなくていいし。)
あ、ちなみにハウリングを避けるために必ず2台目のデバイスにもイヤフォンを挿しておいてくださいね。そしてそのイヤフォンでパートナー通訳者の訳出も聞けます。(どれぐらい聞くかはお好みで)
P.S. これまで2期に渡ってZoom遠隔同時通訳講座を主催し、英語、韓国語、インドネシア語の通訳者の方にご参加いただき好評でした。もし興味のある方がいらっしゃればご連絡くださいね!
受講者の声
https://kase2.jp/zoom-interpretation-4days
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