日本語の「が」は常に"but"ではない

長年通訳をしてきて自分にとっては当たり前のことなんですが、意外と気付いていない方も多いのかなと時々思います。


「AなのだがB」という構成の文章が出てきた時に、AとBが反対の情報ではなくてBの部分で単純に情報を追加しているだけということがよくあります。ですから「〜なんですが」といったフレーズを聞くたびに"but"と訳していると、とてもおかしなことになります。


通訳者は決して単語を1対1で訳しているのではなく、全体のメッセージを伝えています。日本語は文法が緩いというか、文脈や(もっというと雰囲気でも)様々な情報を伝えているので、それを正しく読み取って英語にしていく必要があります。単純に言葉を置き換えているだけではないのですよね。また、そもそも日本語は省略されている情報が多いので、通訳者が(言外の)情報を足さないと英文法として正しい文章が作れないことが多々あります。


そう考えると少なくとも私たちの世代の通訳者はAIや機械学習に職を奪われる心配をしなくてもよいのかなと個人的には思っています・・・。


(写真は去年のイタリア旅行中に撮って、コロッセオの近くの風景です。)

日英同時通訳者 古賀朋子 English-Japanese Interpreter Tomoko Koga

‟天職を生きる” 日英同時通訳者 古賀朋子(Koga Tomoko)のホームページです。お気軽にお問合せください。

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