日々生み出される和製英語

カタカナは外来語などを表記するのにとても便利ですし、もちろん必要なのですが通訳者にとっては危険な落とし穴でもあります。


危険だと思うカテゴリーがパッと思いつく限り二つあるのですが、今日は和製英語のカテゴリーについてお伝えしたいと思います。


様々なところで様々な人が和製英語を生み出していると思いますが、昨今よく使われているのが「ボリューミー」という言葉です。使われる文脈も様々ですが、よく聞くのは例えばレストランなどでボリュームの多い食べ物が出てきたときでしょうか?カタカナで書かれてはいますが、この言葉は英語ではありません。つまり(あえて綴るとしたらですが)volumyという英単語はないのです。このような意味を英語で言うとしたらbigかheartyでしょうか?後者はサイズだけではなく、栄養価も高そうなイメージも併せて表すこともあります。


ちなみにvolumeの形容詞でvoluminousという単語もありますが、この言葉に続く名詞でまず思いつくのはmascaraです。商品名でよくありそうです。まつ毛にボリューム感が出るマスカラですね。voluminous lunchとかvoluminous dinnerという言い方は聞いたことがありません。("voluminous lunch"と完全一致検索をGoogleで行うと何件も出てきますが、最初の2ページを見る限り全て日本についてのページです。検索結果がこういう表示の場合、ネイティブ英語スピーカーはこの組み合わせでは使わないのかなと疑った方が良いですよ。)


私の友人で通訳者ではないですが英語を話す人も、私がたまたまこの話をするまで「ボリューミー」は英語だと思っていたそうです。多くの人はそのように勘違いをしていたとしても、そんなに困ることもないかもしれませんが、通訳者としては気をつけなければいけないですね。


カタカナの落とし穴については、他にも色々あるのでまた別の機会にもお話ししたいと思います。


(写真は先週行った本当に久々のブース終日案件の会場で。ブース内の写真を撮ろうと思ったのに、いろいろありすぎて全く余裕がありませんでした・・・。)

日英同時通訳者 古賀朋子 English-Japanese Interpreter Tomoko Koga

‟天職を生きる” 日英同時通訳者 古賀朋子(Koga Tomoko)のホームページです。お気軽にお問合せください。

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