通訳者は英語が話せればOK?

先日、K-Popグループのコンサートのライブビューイング字幕用の通訳を担当しました。以前のファンミに続き同じ形式で行われて、今回は韓国、香港、台湾ではリアルタイムで、さらにアメリカ、メキシコ、ブラジルではディレイ上映で字幕が表示されるとのことでした。


通訳という職業をお伝えする機会があると、(私の場合は英日なので)英語ができればできるんでしょ?と思われることもあるようなのですが、実際にはそれは必要最低条件であって、それだけでは足りません。そのことを今回改めて感じました。


今回は前回のファンミのお仕事とは違い韓国人というよりは日本人も多めのグループでした。コンサート中のコメントも基本的に全て日本語だったのですが、一部韓国語の単語が混ざったり、韓国語と日本語を掛け合わせた単語が出てきました。韓国語を勉強してきたおかげでそれらの単語が何なのかが分かったので、割と自然に訳すことができて良かったなと思いました。


そして自分の中で一番印象的だったのが、TikTokで流行ったあるネタでした。私自身はTiktokを使っていないので、一瞬戸惑ったのですが、そのフレーズ自体はどこかで聞いたことがあって、ピンときたので、短く自然な訳を出すことができたように感じます。字幕は短く、読みやすくすることも大切なので、「分かる」ということがそのまま良い字幕につながるのではないかと思います。日本語は省略が多いので英語に訳した時少し長めになってしまいがちなのが自分の反省点だなと思いました。


本番よりも前にサウンドチェックがあり、その様子を(通訳は必要ないものの)見ていました。その時にこの話が本番でも出そうだなと思った話があったのですが、案の定出てきました。また前日のイベントについて、このグループのファンの方が書いてくれたXの投稿の情報がすごく役に立ちました。その方の投稿と公式の発表の情報を組み合わせて予習しておいたこともやはりドンピシャで本番に出てきました。通訳の準備は、辞書を引くだけではないのですね。


エンターテインメントの通訳では、語学力はもちろん大切ですが、それだけでは十分ではありません。日頃からさまざまな文化や流行に触れたり、事前に情報を集めたりすることも、通訳者にとっては大切な準備の一つなのだと、改めて感じたのでした。


今回もとても興味深くお仕事をすることができました。さて、またこういうお仕事の機会があるでしょうか?あるとしたらどんな風になるのでしょうか?楽しみです。



日英同時通訳者 古賀朋子 English-Japanese Interpreter Tomoko Koga

‟天職を生きる” 日英同時通訳者 古賀朋子(Koga Tomoko)のホームページです。お気軽にお問合せください。

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