ハウリングはhowlingではない?

前回和製英語について書きましたが、今回はカタカナ語をそのまま英語にすることの危険性について。


今年は遠隔通訳の需要が大きく伸びた年でした。通訳が入る、入らないに関わらず会社の会議を ZoomやTeams、WebExなどで行うようになった方、また個人的な集まりをZoomで行った方もいらしたと思います。そんな中、「ハウる」「ハウリングする」という言葉もたくさん出てきたのではないでしょうか?


ハウリングという言葉の元となったのはhowlingという単語です。しかし実際に英語のネイティブスピーカーが参加しているオンライン会議で「ハウリング」が起きた時に彼らがhowlingという単語を使っているのを聞いたことがありません。feedbackとかechoという言葉が使われています。参考までにZoomの英語のページのリンクを貼り付けたので興味がある方はチラッと見てみてくださいね。


https://support.zoom.us/hc/en-us/articles/202050538-Audio-Echo-In-A-Meeting#:~:text=If%20you%20hear%20audio%20echo,in%20the%20same%20conference%20room


ちなみに英語でhowlingというとぱっと浮かぶのはオオカミの遠吠えですね。ただしオンラインの英和辞書の中には「ハウリング」と書いてあるものもあるので要注意です。本当かなと思ったら自分で適当なフレーズをささっと検索して見ましょう。これを見ると明らかにhowlingは動物の鳴き声、feedbackはハウリングの話をしていると分かりますね。

英語らしい英語を追求するする時に検索は本当に便利で、自分が書いた英語のフレーズを検索してみて、結果の件数が極端に少なかったり、日本語のページばかりが上位に出てきてしまう時には英語として自然な言い方になっていないのだなと分かります。


通じれば良い英語ではなく、より英語ネイティブにとって分かりやすい英語を話すという職業上のサービスの観点と、自分自身がよりネイティブらしい英語を話したいという個人的なモチベーションの両方で、「英語らしい英語」を追求しています。


カタカナ語をそのまま英語にして素敵な発音で言っているけど、実は英語ではそうは言わなかったというケース、結構見かけますよ〜。お互いに気をつけましょうね!私はカタカナ語もかなり疑ってかかるようにしています。その「怪しい」と気づくセンサーを発動させるためには、普段から英語のインプットを多くすることですね(と自分に言い聞かせるのでした)。


あ、ちなみに「ザーザー」いう音はstaticという言葉で言い表しますよ!

日英同時通訳者 古賀朋子 English-Japanese Interpreter Tomoko Koga

‟天職を生きる” 日英同時通訳者 古賀朋子(Koga Tomoko)のホームページです。お気軽にお問合せください。

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