BSってどんな意味?

先日通訳をしている時にBSという言葉が出てきました。日本人の方が日本語でBSと言っていて衛星チャンネルのことでした。理想はSatellite Broadcastingと説明してあげることでしたが、疲労で頭が回っておらずそこまで出せませんでした。チャンネルであることは分かるように出したので、本当に知りたければ後で調べてくれるのではないかなぁと思っています。


さて、英語スピーカーがBSと言ったらどんな意味でしょうか?これはbullshitという単語の略ですね。「卑俗」と説明に出てくるようないわゆるスラングなので、通訳中に出てこないに越したことはないのですが、長いこと通訳をしていると出てきます。それも概してスピーカーが怒っている時にです。名詞として出てくる場合、日本語にすると「いんちき」とか「でたらめ」といったところでしょうか?こういう言葉が出てきてしまって訳す時、どうも日本語には同じ強さの言葉がないなぁと感じます。何について描写する単語が多く、細かく存在するのかはその文化の一面を表すので興味深いです。


個人的印象としては英語には罵り言葉がたくさんありますね。(一応フォローのために言っておくと、英語には罵り言葉以外にも語彙が豊富な内容は当然あります。)アメリカのドラマや映画、リアリティ番組を多く見るようになって、びっくりしたのが言葉で大喧嘩をするようです。しかも往々にして結構な数の罵り言葉が入っていたりもします。あんなにお互いに罵り合って修復可能なんだろうかと思って呆気に取られます。で、その後"Sorry. I didn't mean it." (itは言ってしまった内容)「そういうつもり、意味じゃなかった」と言うんですよね。で割とあっさり仲直りしている印象を受けます。当然フィクションや演出の部分を差し引いて考えないといけないですが、それにしても率直だなぁと思います。


もちろん時と場合によるのですが、率直に言いたいことを言ってさっぱりと仲直りするのは、ある意味健全というか気持ちのよいことかもしれません。時々自分という人間が日本とアメリカの文化の変なミックスのような気がして悩ましく思うのですが、できるだけ両方の「いいとこ取り」の人間でありたいなと思っています。率直さは日本という国で必ずしも歓迎されていないと感じるのですがね。


ちなみに通訳の場合は「私自身の言葉」ではないので、どんなことでも割と淡々と訳します。(ここでいう「淡々」とというのは、その言葉の意味や感情に翻弄されすぎないということです。)自分自身では口にしないようなことを「スピーカーの言葉」として自分の口から出すのは、面白く興味深い作業でもあります。思わぬところに話が逸れましたが、この話についてはいつかまた別の記事で書きたいと思います。

日英同時通訳者 古賀朋子 English-Japanese Interpreter Tomoko Koga

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