神話?誤解?

最近の通訳案件で出てきた単語(かつ英語スピーカーもよく使う単語)でmythというものがあります。


Cambridge Dictionaryのウェブサイトでは以下のような意味が載っています。

1. an ancient story or set of stories, especially explaining the early history of a group of people or about natural events and facts

2. a commonly believed but false idea


一つ目の意味でmythが出てきて通訳したことはほぼないと思うのですが、もし出てきたとしたら「神話」ですね。私はアガサ・クリスティ作品が大好きで名探偵ポワロをよく見るのですが、そこでは出てきた気がします。ギリシャ神話の話などをポワロがさらっとするのですよね。自分にはない教養を感じますね。


通訳の場でよく出てくるのは二つ目の意味です。「(よくある)誤解」という感じでしょうか?個人的にはmythと聞いた時に「誤解」という単語が必ずしもすぐには出てこないような気がします。当たり前のことですが、通訳をするにはmythという単語と「誤解」という単語を知っているだけでは不十分で、mythと聞いてすぐに「誤解」という単語を口から出さなければなりません。


これが単なるバイリンガルと通訳者の違いです。高度なバイリンガルであることは必須であり前提条件で、「バイリンガルだから通訳できるでしょ?」という考えは違うような気がします。というか、これこそがまさにmythですね!多くの人がそのように思っているようなのですが・・・。私たち通訳者は、例えばmythと聞いて「誤解」と即座に言うという神経回路をいくつも日々鍛えている、そんな感じがします。

日英同時通訳者 古賀朋子 English-Japanese Interpreter Tomoko Koga

‟天職を生きる” 日英同時通訳者 古賀朋子(Koga Tomoko)のホームページです。お気軽にお問合せください。

0コメント

  • 1000 / 1000