「検討」は常にconsiderじゃない!

日本語から英語に通訳していると頻出する言葉の一つが「検討」。あまりに多用されるので、日本の会社員の仕事の半分ぐらいは「検討」する時間なのではないかと思うほど。

「検討する」を和英辞書で引くと出てくる英単語の一つがconsiderです。Considerという単語が最初に出てくることが多いからなのか、多くの日本人が「検討する」をほぼ自動的にconsiderと言っているような印象を受けます。


ConsiderをCambridge Dictionary(オンライン)で見ると以下のような説明があります。(英語引用元: https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/consider)

to spend time thinking about a possibility or making a decision

可能性について考える、もしくは決断するために時間を費やすこと

to give attention to a particular subject or fact when judging something else

他のことを判断するときに、特定の主題や事実に注意を払うこと

to care about or respect other people or their feelings and wishes

他の人やその人の気持ちや希望を気にかけたり、尊重したりすること

to believe someone or something to be, or think of him, her, or it as something

誰かや何かを信じたり、彼、彼女、またはそれを何かとして考えたりすること


日本語の「検討する」は本当にこのニュアンスで説明できているでしょうか?最初の説明が一番近いとしても、「検討する」が出てくるたびにconsiderと言っていては「考えている」ばかりでアクションが欠如している、前進していない印象を与えるような気がしています。

「検討する」に対して私がよく使っているのはstudyやdiscussという単語です。いろいろ調査している、もしくは、関係者が集まって討議しているという意味で使われていることが多いと思うからです。これはあくまでも英語スピーカーがconsiderを日本人の「検討」程よく使わないという印象も相まってのことだと思いますが。


「これまでと違いオプションAも検討します」のような文であればconsiderはぴったりですが、いつも自動的にconsiderを訳すのは違うのではないかと感じます。


単語を置き換えるのではなく、スピーカーが伝えたい意味を出すようこれからも心がけていきたいです。

日英同時通訳者 古賀朋子 English-Japanese Interpreter Tomoko Koga

‟天職を生きる” 日英同時通訳者 古賀朋子(Koga Tomoko)のホームページです。お気軽にお問合せください。

0コメント

  • 1000 / 1000