一般化して訳す
久しぶりに時間が取れてコロンボの録画を見ていたところ、Bar Mitzvahが出てきました。この単語を初めて聞いたのはたぶん大好きなSeinfeldを見ている時だったと思います。皆さん聞いたことがあるでしょうか?日本語ではバル・ミツワーとかバル・ミツヴァーと書くようですね。(今回調べて初めて知りました。)
ユダヤ教徒の子供が成人に達したことを祝う式のことを指す意味は知っていましたが、ユダヤ法を守る宗教的、社会的責任を持った成人男性も指すそうです。ところで成人と聞いた時何歳ぐらいをイメージしますか?日本で生まれ育った人は20歳ぐらいをイメージすると思うのですよね。でもこのBar Mitzvahは13歳でのお祝いなんです。
コロンボの同僚が息子のBar Mitzvahでお休みでというくだりがあり、字幕は「成人式」となっていました。Bar Mitzvahのように多くの日本人にとってなじみのない事柄はその核となる内容を取って一般化して訳すアプローチですね。通訳中にこの単語が出てきたらやはり同じアプローチになるでしょうね。時間があれば少し内容を補足するかもしれませんが。
私もドラマでしか見たことがありませんが、成人式と聞いて日本人が思い浮かべる年齢や光景とは全く違う感じです。本当はもっと細かく伝えられれば良いし、後ろ髪を引かれる思い出はありますが、時間や字数の制約がある通翻訳においては仕方のないことですね。
この一般化のアプローチはとても大事で通訳中よく使います。ある文化にはあって別の文化にはないものについて言わなければならない時に「それって結局一言で言ったら何?」の答えを訳として言うわけです。
通訳者の頭の中でこんなプロセスがあるんだなぁと思ってもらえたら嬉しいです。
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