英日通訳で削りやすいのは?

日本語はご存知の通り主語が省かれることが非常に多いですよね。それに対して英語は基本主語がないと文が作れませんので、「誰が」の部分が明確ですし、出てくる名詞について冠詞や数詞、所有格をつけて、いくつあるのか、不特定のものなのか、特定のものなのか、誰のものなのかという情報を詳らかにします。


これを通訳者の視点から見ると、英日通訳をしていて文脈で明らかな場合、主語もそしてmy, your, ourなどの所有格も省けることになります。省いても全く不自然にならないことが多いです。常にどうしたら訳出の時間を省いてなるべく「同時に」着地できるか、また訳をすっきりさせられるかを考えているので、そういう意味で主語と所有格は格好のターゲットになります。(とはいえ時々英語につられて訳を出してしまうのですが・・・)


通訳者の声を聞いている人は(言わずもがなのことですが)基本英語か日本語かどちらかしか聞いていません。ですから例えば英語スピーカーが質問し終わっているのに、通訳者がその後何秒も訳出していると、答える側の日本人の話始めが遅れることになります。これは場合によっては「ん?何で答えてくれないんだろう?」という印象になったり、質問者が質問が伝わっていないと思い込んで同じことを繰り返すので時間が余計にかかったりします。


この時間短縮の取り組み、特に聞き手が気づくようなものでもないのですが、上記の様な状況を避けるためにも、なるべく「同時に」訳出を終わらせるように工夫しています。通訳が入っているから会話のテンポが落ちたと思われないようにしたいです。


「私の」「あなたの」「私たちの」という言葉をしょっちゅう和訳として言っているとしたら本当に時間がもったいないのではないかと思います!





日英同時通訳者 古賀朋子 English-Japanese Interpreter Tomoko Koga

‟天職を生きる” 日英同時通訳者 古賀朋子(Koga Tomoko)のホームページです。お気軽にお問合せください。

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