お天道様は見ている?
少し前に大谷翔平選手のドキュメンタリーを見る機会がありました。彼の野球選手としての活躍は言うまでもなく皆さんご存知だと思うのですが、同時に私は彼の人間性にも深く感銘を受けました。コツコツと努力を続ける姿勢や例えば落ちているゴミを拾うこととか、素晴らしい野球選手である前に素晴らしい人間なんだなと思わされました。もちろん敢えてそういう部分を取り上げて紹介しているので、1人の人間には良い側面も悪い側面もあるということは意識しつつ見ていたわけですが。
私の大好きなBTSもそうですが、アジア人がアメリカで活躍しているのを見ると時々涙が出そうになります。アメリカは素晴らしい機会を与えてくれる国で、実際に数え切れないぐらい多くの人にいわゆる「アメリカンドリーム」を与えてきたわけですが、それと同時に差別も根強いです。私自身も身体的危害を加えられたことはありませんが、無視されたり嫌な言葉をかけられたりというレベルのことは何度も経験しています。
まだまだ白人優位のかの国においてアジア人は長い間「真面目に捉えるべき人たち」ではないと思われてきたと思います。女性は往々にしてシャイで従順、つまり従属的存在であると捉えられてきたし、男性はいわゆるアメリカ的な男性らしさの枠から外れているとみなされてきたと思います。例えば日本にあるような年齢による「こう生きるべき、これをしているべき」と言った押し付けは少ない一方で、人種に基づいた差別的行動はあらゆるところで見られます。(もちろん日本でも色々な形の差別があることも付け加えておきます。)
両方の国に住んでみて思うことがあります。(あくまで単純化した言い方ですが)いわゆる日本的なお天道様は見ているから誰もいないところでも良いことをしようという考え方と、とにかく要領良く目立って主張してお金を稼いで成功すれば良いというアメリカ的な考え方のどちらもある程度本当だし、でも100%正しいわけでもないということです。日本人を見ていて「もっと主張しないと」とか「目立たないと」と思ったり、アメリカ人を見て「見えてるところさえ良ければいいの?」とか「もう少し周りのことを考えれば」と思ったり、私はあらゆる面で両国の価値観の間で揺れ動いている気がします。(しつこいようですがどちらの国にも良いところとそうでないところがあり、一方が善で一方が悪ということではありません。)
だんだんまとまりのない文章になってきましたが、何が言いたいかというとBTSも大谷選手も謙虚さとか黙々と努力することとか、いわゆるアジア的な行動や振る舞いをしながらも、アメリカという大舞台で成功をしている、おそらく「アメリカンドリーム」と呼ばれるものを成し遂げていることに私が同じ種類の感動を覚えているということです。
アジア人として以前は考えられなかったレベルの活躍を見られることを嬉しく心から誇りに思います。これからも謙虚に努力を続けてさらに飛躍してほしいし、それだけの活躍をしている自分たちを労り褒めながら前進していってほしいと思います。
大谷選手のドキュメンタリーで初めて知ったんですが、「二刀流」の選手のことをtwo-way playerと言うのですね。どこかで使う機会あるかな?
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