カボニュー

先日通訳をしていたら「カボニュー」という言葉が出て来ましたよ。それまでの文脈から明らかに「カーボンニュートラル」(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること 引用元:https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/)を略しているのだと分かりましたが、何もないところからいきなり「カボニュー」と言われたら果たして理解できていただろうかと思いました。


英語の言葉をそのままカタカナにした単語は、日本語になることで母音が加わるので音としても長くなりますし、略したい気持ちは理解できるのですが、通訳者にとっては「関係者は理解できているけれど自分には分からない」略語はとても怖い存在です。私自身は少なくとも文脈に沿った略語であれば、何の略語かを感じとる勘は悪くはない方だと思いますが、それでもお手上げのこともあります。


また略語や頭字語(単語の頭の文字を組み合わせたもの)をよく「そのまま言ってくれればいいです」と言われて、それはそれで「訳語」は判明するのでありがたいのですが、それが部署の名前なのか、システムの名前なのか、商品の名前なのかみたいなところを本当は知りたいんですよね。それが分かっているかいないかで実は訳の精度も変わると思っています。


通訳者が入る会議に参加される皆様には、「部外者(つまり通訳者)にはこの略語分かるかな?」という視点を少しだけ持っていていただけると、そして最初にその略語が出てくるときに何の略なのか(できれば何を指すのか)分かるようにお話いただけると大変ありがたいです・・・。

日英同時通訳者 古賀朋子 English-Japanese Interpreter Tomoko Koga

‟天職を生きる” 日英同時通訳者 古賀朋子(Koga Tomoko)のホームページです。お気軽にお問合せください。

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