ペルソナの設定
先週ですが、初めてガーナの会社からお仕事を受けました。研修の通訳だったのですが、講師や受講生の大部分はガーナの会場にいて、一部の講師と通訳者はジュネーブやセルビアなどヨーロッパ各地や東京から参加していました。
この研修の通訳をしている時に、「そういえば(無意識にでも)よくやっているな」と自分で気がついたことがありました。
それは自分の中でこの人に向けて、この人のために通訳しているという人物、もしくはペルソナ(人物像)を定めるということです。実在の人が思い浮かべられればより具体的になりますし、それができなくも自分で「年齢、職業」などのイメージをなんとなく作っていると思います。
なぜこれが重要なのかというと、「その人はこの訳出を理解できるだろうか?」という視点を持ち続けながら訳語を選ぶことができるからです。特にどこまでのカタカナ語が許容されるかの判断にすごく役に立つと思っています。
私は基本的に和語で出したい性分なのですが、とはいえ、例えばある業界の日本人全員がカタカナで言っている単語を通訳者1人が和語で出してもなんの意味もありません。むしろ害にすらなるかもしれません。
時には情報がなく、聞き手が誰なのかイメージしにくいこともありますが、できる限りイメージして、聞き手を意識することで、より理解しやすい訳になるのではないかと思います。
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