ギャルってどんな人?

先日アパレル系の通訳をしていたら日本人のプレゼンターが「ギャル」と言いました。さて、皆さんならどんなふうに英訳しますか?


英語にもgalという単語はあり、辞書で引くとwomanやgirlと同義語と出てきます。とはいえ私の印象ではかしこまった場や相手に対して敬意がある場合にwomanもしくはgirlの代わりにgalと使うことはない気がします。おちゃらけた印象のある単語とでも言えば良いのでしょうか?気になる方はぜひ英語で検索してみてくださいね。


通訳をするにあたって、まず重要なのは日本語のギャルが何を意味しているかですよね?文脈によっても変わってくるとは思うのですが、私の頭にパッと出てきたのは明るい髪色や濃い目のメイク、どちらかというと露出度の高い女性像でした。(これが話し手の思うギャルと一致していたのかどうかも完全には分からないのですが・・・)


そして実際には「日本語で言うところのギャル、つまりflashyな女性」といった訳を出したのですが、改めて英英辞書を調べてみると、原語以上に侮蔑的なニュアンスになってしまったかもしれないとちょっと反省しています。同じような単語ならshowyの方が良かったかなと思いました。


さて今回の例では通訳する際の判断が二段階あったと思います。


まずはカタカナをそのまま英語にしたgalで意味的に合っているか?これは明らかに合っていないですよね。次に日本語で意味されたであろうギャルをどう説明するかです。


日英の通訳をする時に、この一つ目の段階で誤った判断をしてカタカナを英語にして訳として出している例がよくあります。カタカナだからそのまま英語にすれば良いというのは大きな誤りです。一般の人がそれをしてしまうのは理解できますが、通訳者はこの罠にハマらないようにしなければなりません。そのためには日本語でカタカナ語になっている元の英語の単語が、どんな意味でどう使われているかを理解していなければなりません。この点に関してはやはり英語圏で暮らしたことがある人には強みがあると思っています。


たとえば「頑張れ!」という意味で"Fight!"とは言わないのですよ〜(これが分かっていない通訳者はさすがにいないと思いますが)。通訳者の皆さん、一緒に気をつけましょうね。

日英同時通訳者 古賀朋子 English-Japanese Interpreter Tomoko Koga

‟天職を生きる” 日英同時通訳者 古賀朋子(Koga Tomoko)のホームページです。お気軽にお問合せください。

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