知っておいて無駄なことはない
どんな表現を使うかはともかく通訳者の間でよく言われることです。「いつ何時どんな内容を通訳するか分からないのだから、知っておいて無駄なことなどない」ということです。私も通訳者になって20年目を迎えて、それを実感することはよくあるのですが、つい最近もそんなことがありました。
その日は音楽関係のイベントの通訳をしていたのですが、まず午前のセッションで出てきたのが、KCONと呼ばれるフェスティバルです。Wikipediaに載っている定義を抜粋します。
「KCON(ケイコン)は、韓国の音楽(K-POP)・ビューティー・ファッション・フード・ドラマなどの韓流文化コンテンツが体験できるコンベンションとコンサートが融合されたK-Cultureフェスティバルである」
BTSを好きになってから、彼らが出演していた動画を見る機会があったので、アメリカやフランスなど世界各地で開催されているという予備知識がありました。
そして夕方のセッションで出てきたのが、「ソテジワアイドゥル」、BIGBANG、そして(我らが?)BTSでした。
ソテジワアイドゥルも同じくWikiから抜粋しますね。
「ソテジワアイドゥルは韓国で1991年に結成され、1992年-1996年6月まで活動した男性アイドル系ヒップホップグループである。アルバム全作でミリオンセラーを達成し、当時の韓国音楽界の流れを変え、現在のK-POPへ繋がる重要な役割を果たしたグループである。」
登壇者の方は「ソテジ」と言及されたのですが、彼らのこともBTSを好きになったおかげで知りました。BTSが彼らのコンサートにゲスト出演したり、彼らの曲をカバーしたのでただ名前を知っているより、もう少しだけ多く知っている感じです。
わざわざ言うまでもないことですが、私は韓国語の通訳者ではないので、韓国のことを色々知ったところで仕事に役立つ確率は低いわけですし、そもそもそういう知識は仕事のために勉強して知ったものでもないわけですが、こうして実際に役に立った時の喜びは大きいです。
もちろん単純にこういう内容を通訳できた喜びも大きかったですが、自分の知識が意外なところで役立った喜びもありました。知らなくても音を拾ってきちんと訳せた可能性も当然ありますが、知っていれば話の流れが読みやすいし、自信を持って訳せます。そして出てきたのは日英通訳の場面なので、日本語の文末まで来なくても、結論が読みやすいという意味ではすごく助かりました。改めてどんなことも知っておいて損はないなと思いました。
それにしても3人体制で交代していたのに、これらの話が私の順番の時に出てきたというのは、やはり引き寄せているのでしょうか?
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