たまにはやりたい

実は去年の今頃も少し似た内容を書いていたのですが・・・。今週はリレー通訳がありました。リレー通訳とは、ある言語での発話をその言語の通訳者が共通言語(英語の場合が多い)に訳して、その訳出を聞いて他の言語の通訳者がまた別の言語に訳すというものです。私の場合で言えば、例えばスペイン語の話者がスペイン語で話しているときに、スペイン語の通訳者がそれを英語にして、私はその英語を聞いて、日本語に訳出するわけです。


ということで、上記の逆である、自分が他言語の通訳者の原語となる英語を出す場合も理論的に当然ありうるわけですが、多くはないです。理由の一つは日本人が発言することが少ないからです。ですが、先週は私が日本語を英語にして、広東語、スペイン語、中国語、ロシア語、ヒンディ語、バハサ・インドネシア語、韓国語、クメール語、バハサ・マレー語、タイ語の各通訳者がリレーする場面がありました。


なんというか気分が(良い意味で)ピリッとしますね。自分が崩れたら、私の英語を直接聞いている英語スピーカーの聴衆はもちろん、上記の10言語の通訳者が困るわけです。そんなに長い発言でもなく、専門用語が頻出というわけではなかったので、発言が終わった直後もおそらく大丈夫だったかなとは思っていましたが、案件終了後に一緒に組んでいた私が大大尊敬する大学院の先輩が「朋子さんの日英バッチリでしたね!」と言ってくれて、繁忙期と12日連勤中の疲れが吹き飛ぶ思いで、嬉しかったです!


毎回こういう場面が長くあったら、特に繁忙期だと負担に感じると思うので、困ってしまいますが、たまにはこの緊張感も良いものです。(そしてそもそもリレー通訳が頻繁かつ大量という心配は多分不要です。日本人が日本語で発言すること、そして日本語で発言していても、通訳を介してでも聞きたいと求められている場面が少ないようだからです。残念な話ですが。)ということで、たまにはやりたい日本語から英語のリレー通訳の話でした。





日英同時通訳者 古賀朋子 English-Japanese Interpreter Tomoko Koga

‟天職を生きる” 日英同時通訳者 古賀朋子(Koga Tomoko)のホームページです。お気軽にお問合せください。

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