ナイーブな人
皆さんは「ナイーブな人」と聞いてどんなイメージを持つでしょうか?オンライン辞書で見てみると、「飾りけがなく、素直であるさま。また、純粋で傷つきやすいさま。」という説明があります。多くの日本人が似たようなイメージを抱くのではないでしょうか?必ずしもネガティブなイメージを抱く人ばかりではないと想像します。
カタカナになって日本語でも広く使われている単語が多くありますが、日本人がとらえている意味と英語(もしくは発祥となった言語。今回の場合はフランス語)での意味がが違うことが多々あるので通訳者としては注意が必要です。このナイーブという単語、日本語の会話で使われているのをよく聞くので、今回取り上げてることにしました。
(ちなみに写真は文章とは全く無関係です。ロンドンで数年前に撮ったものです。)
それでは英語の場合どんな意味になるのか見てみましょう。ケンブリッジ英英辞書(オンライン)から引用します。
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/naive
Adjective (mainly disapproving)
too willing to believe that someone is telling the truth, that people's intentions in general are good, or that life is simple and fair. People are often naive because they are young and/or have not had much experience of life:
ざっと訳すとこんな感じです。
形容詞(主に非難めいた)
人が真実を言っている、人々の意図は概して良いものだ、もしくは人生はシンプルでフェアだと信じやすい様。人は若い、または人生の経験が少ないために「ナイーブ」であることが多い。
例文はこんなものがありました。
She was very naive to believe that he'd stay with her.
It was a little naive of you to think that they would listen to your suggestions.
ということは「世間知らずな、未熟な、単純な」という意味なんですね。「青二才」という日本語がぴったりくる場面もあるかもしれません。決してポジティブな意味ではないということなんです。もちろん色々な人が様々な言葉を自由に使うので例外はあるかもしれませんが、私が今までに英語で聞いてきたnaiveはやはりネガティブなものでした。
多少の意味のズレならともかく、ポジティブなのかネガティブなのかが変わってしまう言葉は本当に注意が必要です。あとは同じ人物の同じ様子でも文化が違うと、捉え方が違うのかなとも感じるのでそれも心に留めておきたいと思います。つまり、同じ人物の同じ様子を日本人は「素直で純粋」、英語スピーカーは「無知で世間知らず」と捉える可能性があるということです。この部分は自分がアメリカで生活していた時のことを含めて、別にブログが書けるぐらい思うところがたくさんありますが今回は控えます。
ちなみに日本語のナイーブを英語にする場合にどうするかですが、まずはその人がポジティブ、ネガティブのどちらのニュアンスで使っているのかを見極めた上で、注意深く意図を汲み取ってsensitive, unpretencious, pureなどと訳すと良いと思います。仮に少しネガティブな形容詞になってしまうけれど、けなしていないと思うのであれば、which is not necessarily badなどと付け加えるのも場合によってはアリかもしれませんね。
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